手打らーめん 唐沢亭
30年の歩みが息づく、心あたたまる一杯
佐野厄除け大師から西へ約800m、西の産業道路沿いに店を構える『唐沢亭』。2025年で創業から30年を迎える。
店主の塩田茂さんと奥様の三江さんは、 30年という道のりを二人三脚で歩んできた。茂さんは、一度ハマるとそれだけに特化してしまう凝り性な性格だそう。三江さんは茂さんに「ラーメンづくりが趣味だもんね」と笑いかける。
茂さんははにかみながら、「若い時は、新作ラーメンのアイデアがあふれていて、多い時はラーメンのメニューだけで30種類ぐらいあったこともあります」と話してくれた。

そんなお二人の姿を見て育った息子の祐亮さんは、自ずと料理の道を志し、茂さんの味を守り継ぐため、日々試行錯誤をしながら努力を重ねている。
「同じ材料、同じ分量でつくっても、父がつくる味とまったく同じにはならないんです。ずっと来ていただいている常連さんたちのためにも、できうる限り努力したいと思っています」と誠実な人柄をにじませる。

親子二代で紡ぐ『唐沢亭』の味は、素材の旨さが際立つ、奥行きのある味わいが魅力だ。その味わいを支える出汁には、茂さんのこだわりが詰まっており、九州から取り寄せているという風味豊かなイリコや利尻産の高級昆布を使用し、澄んだ中にもコクのある味わいを引き出している。
常連客から絶大な人気を誇る『手打ちゃーしゅう麺』は、上品でまろやかなスープにチャーシューの旨味が溶け込んだ、『唐沢亭』を代表する一杯。
花びらのように彩られたチャーシューが麺を覆いつくす、見た目も華やかなごちそうラーメン。
コク深いスープと相性抜群の自家製麺は、低温でじっくりと熟成させたことで、もっちりとした食感に仕上がっている。厚切りチャーシューをはじめ、具材の盛りのよさもまた、『唐沢亭』ならではの魅力といえるだろう。


王道の佐野ラーメン以外にも、茂さんのこれまでのアイデアから生まれた、『極しお&あさりらーめん』や『柚子しおらーめん』などの創作メニューが多数存在しているのも、茂さんの探究心と発想力があってこそ。
30年という時を重ね、親子二代で守り継ぐ『唐沢亭』の味。味のみならず、一杯に向き合う真摯な姿勢もまた、父から息子へと受け継がれてきた。確かな手仕事が時代とともに店の物語を紡ぎ、変わらぬ想いをのせた一杯は、30年経った今も、訪れる人々の心にそっと息づいている。
手打らーめん 唐沢亭の店舗情報
- 〒327-0003 栃木県佐野市大橋町3235-14地図を見る
- 0283-21-2232
- 11:00〜14:30、17:00〜20:30
※麺がなくなり次第終了となる場合がございます - 定休日:水曜
※祝祭日の場合は翌日休み - 15台
