洋菓子喫茶 シロツメ

レトロ空間で味わう特別なスイーツ時間

閑静な住宅街の一角に、ひっそりと佇む『洋菓子喫茶シロツメ』は、2021年にオープンした、ノスタルジーな雰囲気をまとう喫茶店。

自宅を改装してつくられたという店内は、靴を脱いで2階にあがる隠れ家的スタイル。「靴を脱ぐという感覚はふつうのカフェや喫茶店などではあまりないことだと思うので、友だちの家に来た感覚でくつろいでもらえればうれしいです」と語るのは、店主の田名網映子さん。

田名網さんは、甘いものより辛いものが好きだという。意外な答えに、洋菓子づくりにたどり着いた経緯を尋ねると、「大学時代に物理化学を専攻していたんです。洋菓子づくりって、化学の実験と似ているんですよ。温度による状態変化とか、材料の違いで出る化学反応とかがおもしろくて、甘いものはそんなに得意ではないにも関わらず、洋菓子づくりにハマってしまって。40歳の時に、きちんと学びたいと思い、製菓学校に入学して、製菓衛生士の免許を取りました」と教えてくれた。

階段をあがると、どこか懐かしさが漂う開放的な空間が広がる。喫茶室と呼ばれるその空間の一角には、小さなお子様連れでもゆったりとくつろげる個室が用意されており、絵本やぬいぐるみが並べられている。
このスペースは、年齢を問わず、訪れた人すべてに心地よい時間を過ごしてもらいたいという田名網さんの思いから生まれた。

そんな穏やかな時間が流れる空間で、ぜひとも味わってほしいのが、洋菓子とドリンク。旬のフルーツを活かしたショートケーキやフルーツタルトなど、見た目にも華やかな季節の味わいが堪能できる。
ドリンクは、お茶マニアの田名網さんが洋菓子に合うものを数種類チョイスしてくれるので、そのときの気分に合わせてペアリングをお願いするのもよし、自分で選ぶのもよし、どの組み合わせも『洋菓子喫茶シロツメ』ならではのおいしさが楽しめる。

四季を感じる彩り豊かな洋菓子に、馨しい香りのドリンクをあわせて、特別なひとときを過ごせる『洋菓子喫茶シロツメ』。レトロさが漂う心地よい空間のなか、世代を超えた人々の笑顔の花が咲き、今日もまた、ここで過ごす時間が小さな幸せを紡いでいくことだろう。