麺や 赤堀

麺や 赤堀

葛生の里で出会う、至福の一杯

まちの駅「葛生の里壱番館」で、ひときわ賑わう『麺や赤堀』。2021年のオープン以来、地元で愛され続け、今では遠方から足を運ぶ常連客も少なくない。

店内に足を踏み入れると、活気ある接客とともに、壁一面を彩るフレスコ画が目に飛び込んでくる。地元産の石灰で仕上げられたこの壁画は、葛生に伝わる「鉢の木物語」をモチーフに、梅や松、桜が色鮮やかに描かれている。地域の歴史を映す、ここでしか見られない作品が堪能できるのも魅力のひとつ。

店主の赤堀知久さんは、葛生の出身。「自分の故郷ということもありますが、妻がごはんを食べにいける場所が少ないことをあげていたのがきっかけで、葛生に店を出すことを考えはじめました」

前職はサラリーマンをしており、飲食店の経験はなかったという。そんな赤堀さんが飲食業を志したきっかけについて尋ねると、「当時、自動車関連の仕事をしていて、楽しくてやりがいもあったのでこのまま定年を迎えると思っていたんですが、一度きりしかない人生、自分からやりたいと思ったことに挑戦してみたいと思い、おいしいと評判だったラーメン店、『小三郎』に弟子入りを志願したことがきっかけです」と教えてくれた。

修業先の『小三郎』は栃木市でも屈指の人気店。代名詞ともいえる「生姜ラーメン」は、大人から子どもまで幅広い層に親しまれ、食事時には行列が絶えない。そんな『小三郎』で6年間腕を磨いた赤堀さんは、受け継いだ技と心意気で、丹念に仕上げた一杯を心を込めて提供している。

鶏ガラ、宗田節、香味野菜をじっくりと煮込み、5時間かけて仕上げた澄んだスープ。細切り生姜の爽やかさとチャーシューの旨味が溶け合い、あっさりとした口当たりに深いコクを宿す一杯。

「細切り生姜はチャーシューと和えてあるので、あっさりと食べたい方は、まずは混ぜずに味わっていただくのがおすすめです。崩しながら食べていただくことで味が変化していくので、それも楽しんでいただけたらうれしいです」と優しく微笑む奥様。

丁寧な手仕事とあたたかな接客が心地よさを生む『麺や赤堀』。まちの駅という立地を味方につけ、今日も多くの人々を出迎える。丹念に仕上げられた一杯に、店主の想いと心意気を感じてもらいたい。

麺や 赤堀の店舗情報