【閉店】麺家らっかせい

2014/2/4

GOURMET

体にも気を使える男前で繊細な味が、らっかせいの味。

小ぶりな黄色の暖簾がにこやかに出迎えてくれるその空間には、ゆっくりと過ごすことのできる「和やかさ」がいつも流ている。佐野市金井上町、観光客が行き来する通りに面した「麺家らっかせい」。ここは急ぎ足で街の名物を食す慌ただしさよりも、会話と一緒に提供される「美味しい時間」をゆったりと過ごすことのできる場所。

居心地の良いこの空間で提供される「しおらーめん」には、口に入れた時と後味に広がる塩の甘味に独自のこだわりがある。店主を支える奥さんの生まれ故郷である新潟県村上市、美しく清らかな海岸で丁寧に作られる「笹川流れの塩」が、この一杯を美味しく引き立てている。沈む夕日が綺麗に空と海を繋ぐ背景、豊かな自然がそのまま残るその美しい海で作られた「塩」。盛りつけられた多種の具材がバランス良く乗せられた、自然の風味が魅力のこの「笹川流れのしおらーめん」は、日本海で育まれた豊かな塩の甘味が打ち寄せる、優しく男前な一杯。

この店に訪れてくれたからこそ、ゆっくりと時間を過ごして欲しい。店を切り盛りする店主と奥さんの想いは、外観から内観、飾り付けられたインテリアや配膳される器たちからも伝わってくる。美味しい料理を提供するだけではなく、訪れた人々の「食の時間」を大切に共有してくれる店。地元の人々に愛されているからこそ、この空間には会話と笑顔が一緒に寄り添う。昼も夜も時間の許す限り過ごして欲しいこの街のラーメン店。二人の作り上げた空間で食べるいつもの「美味しい一杯」には地元の人々が集まる「豊かな時間」がいつものように流れている。