私たちは負けない!!|佐野高校ラグビー部
日本代表を経験し、現在母校の佐野高校でラグビー部の指導にあたる石井先生にお話を聞いた。
– ラグビーとの出会いは何だったのですか?
「ラグビーを始めたのは、佐野高校に入学してからです。入部して間もなくラグビーの虜になりました。練習は楽ではありませんでしたが、日々楽しかったことを覚えています。私が高校ラグビーの指導者を目指したのも、花園へ連れていっていただいた当時の先生への『先生のようになりたい』という憧れが原点なんです。楽しいっていうのは表面上の楽しさではなくて、体をぶつけ合うことも含めてラグビーなので、練習の時に怪我をしないように準備をして、試合で全力を尽した時の充実感なのかな。対峙する相手も同じ気持ちでぶつかり合うから、試合の後は『ノーサイド』。お互いを認め合い、リスペクトするといったことがでるんだと思います」
– 渡来キャプテンが伝統の緑色のジャージを着て試合に出るんだと言っていました。
「今は人数が少ないから試合は合同チームで、どこかの高校のセカンドジャージを着て出場するんです。本当に悔しい思いをしていると思います。試合での勝ち負けはあったとしても自校のファーストジャージを着られないのはね…。だったら、練習は適当にやってもいいんじゃないかと思うんだけど、毎日一生懸命に練習している姿を見るとね…なんとかしてやれないかと」
– 女子ラグビーの指導もされていますが…
「女子ラグビーも同じで15人制、7人制とあります。昨年末には、本校の春山と秋田がU18花園女子15人制の東軍として出場してきました。女子ラグビーは前回のリオオリンピックで初めて競技種目になって、競技人口がまだ少ない今は、オリンピアンを目指せる可能性が高いと思います。夢が遠い夢ではなく、近い夢として感じられると思うんです。女子ラグビーの歴史はまだ始まったばかりなんです」
練習時間に訪れたグラウンドには、花園予選を最後に引退した3年生、卒業生、中学生、男女ラグビー部員の熱気が1つになって満ちていた。春山さんは日体大へ進学してラグビーを続け、秋田さんは女子セブンスユースアカデミーに合格し、東京オリンピックを目指すという。そして、渡来キャプテンは2022年とちぎ国体に出場する後輩を育てたいと未来のことを話してくれた…。いや、まだだ。緑のジャージを着てフィールドに立つ15人の中心にいる彼の姿をまだ見ていない。
高校入学当時はバレー部だったので、ラグビーは高校2年からなんです。みんなより経験が浅いので、スクラムだけは誰にも負けないって気持ちで練習しました。試合に出るときは合同チームになるので、いろんなチームの人たちと出会い仲良くなれます。行く先々で友だちが増えていく感じなんです(笑)。選抜チームでは色んな体型の人の中でプレーをしてきました。全員が楽しめるスポーツだなと思えたので、まだやったことがなくても挑戦して欲しいです。15個のポジションから自分に合ったものが必ず見つかるはずです!
兄と弟が通っていた少年ラグビーチームで「人数が足りないから出て」がキッカケでした。家族みんながスポーツをやっていて、私も色んなスポーツをやっていたんです。小学6年生の時に関東ユースに受かって、そこからラグビーに絞ったんです。今までやってきたスポーツが全部活かせる感じがして、最後に出会ったスポーツがラグビーで良かったと思っています(笑)。女子ラグビーは人数が少ないからこそ、色んな人たちとプレーすることができます。同じチームになったり相手チームになったり…。始めるなら今がチャンスです!
佐野高校附属中に入学して始めたラグビー。中学生の頃は、高校の先輩から多くのことを学びました。今は、自分が学んできたことをキャプ テンとして後輩たちに伝えています。仲間との絆もそうですが、ラグビーをやっている人同士が1つになれる。相手がいることを喜び、仲間がい ることを喜ぶ。こういう部分を大事にできる、他では見つけられない魅力がラグビーにはあると思います。最後は15人で緑色のジャージを着 て、自分のチームって言えるようにします! 絶対に!