クリケット×日本代表選手団紹介

クリケット×日本代表選手団紹介
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第二の故郷に根を張る選手たち

日本クリケット協会が佐野市に本拠地を構えてから今年で18年が経つ。これまで佐野市とともに、地域の活性化や国際化などに取り組んできた。
2028年のロサンゼルスオリンピックにクリケットが正式種目に認定され、注目が集まるクリケット日本代表選手団。

今回は、佐野に移住し、日の丸を背負って戦う3人の精鋭たちを紹介するとともに、彼らが思う佐野の魅力について話を伺った。

インタビューに応じてくれたのは、男子日本代表選手の櫻野玲央さん(以下レオ)と、女子日本代表選手の楠田恵麗和さん(以下エレナ)、男子日本代表のヘッドコーチを務めるドゥーグル・べディングフィールドさん(以下ドゥーグル)の3人。

Q.クリケットに興味を持ったのはいつ頃でしたか

ドゥーグル:母国のオーストラリアはクリケットが盛んな国。小学生はフットボールとクリケットをやっている子が多い。日本でいうサッカーと野球のような感覚です。5歳ぐらいのときにテレビでクリケットの試合を見て、やりたいと思って父に頼みました。

エレナ:私は小学生のときからです。幼稚園までは日本にいたんですが、小学1年生からはオーストラリア。最初の頃は英語がわからなくて友だちも少なかったんですが、両親がスポーツ好きで、冬はホッケー、夏はクリケットをやっていました。クリケットチームに女子チームはなく、弟と一緒に男子チームで練習していました。

レオ:僕は日本で生まれて、5歳のときにニュージーランドに引っ越しました。僕もエレナと同じで、英語がわからず友だちができずにいたんですが、ニュージーランドはスポーツが盛んな国で、両親の勧めでクリケット、ラグビー、サッカー、ホッケー、水泳、陸上、テニス、ゴルフ、いろいろなスポーツをやって徐々に友だちもできてきて、そのなかでも一番楽しかったのがクリケットでした。17歳の時に、日本でいう国体の選手のようなものに選ばれて、そこからはクリケット三昧の日々でした。

Q.佐野に来た経緯を教えてください

ドゥーグル:オーストラリアでクリケットをずっとやっていましたが、35歳ぐらいの時に、コーチに転身しました。日本語がわかるコーチがあまりいなかったので、クリケット協会から声が掛かり、2014年に佐野に来ました。

エレナ:弟が2019年にクリケット協会のトライアルを受けていて、私はそのときオーストラリアで就職していたんですが、2022年におこなわれるU-19のワールドカップのための強化練習を私の故郷のすぐ近くでしていたため、見に行くと、クリケットをやりたいという気持ちに火がついてしまったんです。ちょうどそのときにクリケット協会が日本での活動のマネジメントができる人を探していて、以前から日本に住んでみたいと思っていたので、立候補しました。

レオ:ずっと日本に住んでみたいと思っていました。でも、日本語は少しわかるぐらいなので、一般の企業に就職するのは難しい。日本に来て何ができるか自分にはわからなかった。友人がクリケット協会で働いていたので、相談すると、僕は日本とニュージーランドのハーフなので、日本代表選手を目指すこともできるし、協会での仕事にも貢献できると言われ、これは大きなチャンスだと思い、佐野に行くことを決めました。

Q.日本に来てイメージと違ったことなどなにかありますか

ドゥーグル:日本に来る前は、日本というと、東京のような賑やかなイメージがありました。でも佐野に来たら、山や川に囲まれていて、落ち着いた雰囲気があって静かなところだったので、イメージとまったく違っていたことに驚きました。佐野に住んで11年ぐらい経ちますが、住みやすくてとてもいいところだと思います。

エレナ:カフェのオープン時間です。オーストラリアは海沿いにカフェがあり、早朝にウォーキングやランニングをする人たちがたくさんいます。カフェは朝の運動を終えた人たちが休憩したり、朝ごはんを食べたりする場所として使われることが多いので、朝6時ごろからオープンしているんです。日本のカフェのオープン時間の遅さにびっくりしました。

レオ:日本では一人暮らしをすることが普通ですが、ニュージーランドでは友だちと住むことが普通です。一人暮らしができる人はお金の心配がない裕福な人。だからニュージーランドでは一人暮らしをしている若い人はあまりいないです。

Q.佐野でお気に入りのお店はありますか

ドゥーグル:駅前にある居酒屋によく行きます。どれを食べてもおいしいので、全メニューを食べ尽くしてしまいました(笑)

エレナ:とんかつ専門店によく行きます。カラッと揚がっていて、サクサクの衣がたまらなくおいしくて、つい食べに行ってしまいます。

レオ:唐揚げ、丼ぶり、お寿司、日本の食べ物はどれもおいしいです。でも、たまに本場の味が恋しくなるので、そんなときはインド人が店主のカレー専門店に行くことがあります。それと、僕はゴルフが好きなので、ゴルフ場にもよく行きます。佐野はゴルフ場が多いので、いろいろなコースをまわれて楽しいです。

佐野に移り住み、文化や言葉の違いに戸惑いつつも、地域に馴染みながら生活を送る彼ら。第二の故郷に根を張り、世界の強豪と戦うため、日々練習に励んでいる。
試合中は日の丸を背負い、一丸となって戦うが、ひとたびユニフォームを脱ぐと、佐野人として地域の暮らしに溶け込みながら、それぞれの暮らしを楽しむ様子がうかがえた。
街で彼らを見かけたときには、笑顔で話しかけてみてほしい。近い将来、世界の強豪と肩を並べ、オリンピックという大舞台で活躍する彼らの、飾らない人柄が垣間見れるかもしれない。

佐野市 産業文化スポーツ部 スポーツ推進課