SANOMEDIA×さの百景 第20回 葛生大通り
さーのって号の停留所「葛の里壱番館」を右手に、大通りが広がります。今回は、ここ葛生大通り(県道123号線)を歩きます。
「葛生大通り」は日頃からダンプが行き交う地域の方々のメインストリート。旧葛生町出身の私も、この通りに昔から愛着がある者の一人です。今では整備が進み、道路も舗装され、かつてはあったダンプによって作られた「轍」も姿を消しています。また、この通りには電線がありません。歩道の電信柱は撤去され、電線は地中に埋め込まれ広々として歩きやすいのが特徴です。
常盤地区に住んでいた幼き日の私は、この通りに足を踏み入れるたびにワクワクしていたことを今でも覚えています。車から見える景色、自転車や原付バイクで通っていたあの日。久しぶりに歩いた葛生大通りは昔の思い出を蘇えらせてくれました。
毎年行われる山神祭(さんじんさい)【現:くずうフェスタ】では当時この通りに露店が多く立並び、日が暮れるまで友達と遊び回りました。通りの中にある釣具屋さん、当時バス釣りに夢中だった私の行きつけのお店。程近くには化粧品屋さん、昔やっていたビーズの量り売りは今でもやっているのかな。高校生になると、取り立ての原付免許を引っ提げ、轍でボコボコの道をダンプの排煙にまみれながら駅まで走りました。車を運転するようになった今でも、仙波の実家へ向かう時は愛着のあるこの通りを通ります。
思い出のたくさん詰まったこの通りを「葛生のシンボル」の一つとして、多くの方に知っていただきたい。そんな気持ちで今ペンを握っています。この機会がなければ昔のコトを忘れていたかもしれません。
一つの場所や風景に一人ひとりの思い出や記憶が詰まっています。私はこれからも「さの百景」を通してその場所の「魅力」や「思い出」「気持ち」を繋いでいくお役に立ちたいと考えています。次はどこを歩こうかな。今からまた少し考えてみたいと思います。