SANOMEDIA×さの百景 第10回「灯ろう流し」

夏の夜、打ち上げ花火の音が遠くに聞こえると、「夏だなぁ…」と思います。そんな私が、最近一番近くで感じる季節の音が「み魂まつり」で行われている奉納花火の音だったりします。メイン行事は灯ろう流しなので花火大会ではありませんが、曜日に関わらず8月18日に行われているこの行事で「あ、今日は18日か。」と思い出すこともよくあります。
私は会場の近所に住んでいたこともあり、幼少の頃から家族とこのお祭りによく参加しています。子どもの頃は、灯ろう流しの意味を理解するのは難しく、見たことのないたくさんの「ろうそくの灯がついた船」を川に流してもいいということに、ただワクワクしていました。
現在はある程度先で流した灯ろうが回収されているので、ほんのわずかの距離しか見ることができなくなってしまいましたが、当時は川にずっと流され続けていて、満天の星空のようでした。自分の流した灯ろうや、ある一つの灯りを目標にして、途中浅瀬などで止まらないか、倒れて灯りが消えてしまわないか、どこへ行くのかと、追いかけられるところまで川岸を歩いて行った事もありました。
翌日、大橋町と大町にかかる秋山川の橋の下には、川岸に引っかかったりして流れなかった灯ろうがたくさん残っていて、なんだか切ない気分になったことも、懐かしい思い出として残っています。
花火や露店・イベントなど、賑やかなお祭り目的で出かける方も多いと思うのですが、一度夕方七時前後から始まる灯ろう流しに参加してみてはいかがでしょうか。きっと思い出に残る夏を体験できると思います。

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