麺処りょうや

伝統と革新が融合する新世代佐野ラーメン

人気店『麺屋ようすけ』で修業を積み、2024年8月にオープンした『麺処りょうや』。店内に足を踏み入れると、ラーメン店に来たことを忘れてしまうほどの洗練された空間が広がっている。実はこの内装、ほとんどが手作りというから驚きだ。

店主の田島龍弥さんは、小さい頃から人前に出ることが好きだったそう。音楽で食べていきたいと思っていたところに新型コロナウイルスの流行があり、今後の人生について思い悩んでいたという。そんなとき、ふと目が留まったのが、佐野ラーメンの店に並ぶ長蛇の列だった。

「コロナ禍でもこれだけ多くの人が足を運ぶ、そんな人気店を見て衝撃を受けました。もともと自分でなにかをやってみたいという気持ちがあったので、これに賭けてみたいと思い、ようすけさんのもとを訪れ、弟子入りを志願しました」

そんな男気溢れる田島さんは、修業先のようすけイズムを受け継ぎながらも、子どもの頃から愛してやまない佐野ラーメンらしさを大切にしたいという想いがあったそう。まろやかでありながらコクのあるおいしさを目指し、青竹手打ちの多加水麺で、どこかほっとするような、懐かしさを感じる味わいに仕上げた。

王道の『らーめん（醤油）』も人気だが、『ガーリックバター醤油らーめん』もおすすめだ。品のあるあっさりとした風味に広がるバターのコク。佐野ラーメンらしさを保ちつつも、ガーリックの香ばしさが深い味わいを生む。

日々味の探求に余念がない田島さん。伝統を受け継ぎながらも、時代の変化に応じて柔軟な発想力で対応する独創性の高い新世代佐野ラーメン。ぜひ一度、新たな可能性を感じる一杯に出会ってみてほしい。