宝来軒
創業から87年、市民の日常にある親子3代続く佐野ラーメン
昭和5年創業の老舗ラーメン店「宝来軒」。佐野駅近くに中華料理店として暖簾を掲げ、現在の場所(佐野市南東部、県道9号沿いブックオフの東側)へ移転し、佐野のラーメンを作り続けている。
創業当時から続く青竹手打ち。お店のいちばん手前にある麺打ち場は、外から誰でも見ることができる。トントントンと小気味良いビートを青竹が刻み、麺生地を鍛えていく。一度に打つ麺は60から70食分。青竹打ちのコツを3代目店主に尋ねると
「単純なことですから、これがコツって言うのは無いですよ。野球に例えると、バットは誰でも振ることができるじゃないですか。青竹の麺打ちも同じです。誰でもある程度はできるようになると思いますが、プロとして活躍できる人は少ないですよね。」
なるほど。
「私は親父の側で門前の小僧のように麺打ちを覚えました。それからは、その時々に合うように自分なりのアレンジを加えているんですよ。」
現在は、少しだけコシの強い麺に仕上げているそうだ。
スープは、豚骨・鶏ガラ・野菜がベース。一見してそれと分かるしっかりとした濃口醤油味。コシのある青竹手打ち麺との絡みは抜群。トッピングは、チャーシュー・ナルト・メンマ・海苔・刻みネギ。
「こだわり抜いた究極ではなく、地元のニーズや時代の変化に合わせ変化する。でも、長年通ってくれる常連さんには、変わらないねと言って頂ける味。これがご当地ラーメンだと思いますよ。」
「ラーメンを食べたいと思った時に、すっと入れて、さっと食べられるのがいいじゃないですか。話題性や流行は追いません。一過性のブームではなく、地元のラーメンを作ってますから。宿命ですかね(笑)」
と。
人々が通い続ける理由が分かったような気がした。
RAMEN DATA/ラーメン
【 チャーシュー 】
ロース肉を使い、手間隙かけて作る自家製チャーシュー。
しっかりした歯ごたえのある旨味がギュッと詰まった逸品。
【 スープ 】
飲みほしたくなるスッキリ感。
濃口醤油で塩分は少なめ。
【 麺 】
スープとよく絡む伝統の青竹手打ち麺。
コシと柔らかさのベストバランス。
宝来軒
- 栃木県佐野市浅沼町801-2
- 0283-22-2089
- 11:00~15:00(L.O. 14:45)、16:00~20:00(L.O. 19:45)
※日・祝は麺が終わり次第終了 - 木曜日(祝日の場合は営業、水曜または金曜休み)