Vol.8 Agency
「VUCA(ブーカ)」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
Volatility(不安定)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧模糊)の頭文字から作られた造語で、私たちを取り巻く環境が目まぐるしく変わり、将来の予測が困難な状況となっている現代は『VUCAの時代』と呼ばれている。
想定外の自然災害が頻繁に発生したり、世界中を脅威にさらすウィルスが広がったり、次々と新しい技術が生まれるなど、すごいスピードで変化する世の中になっており、さらにそのスピードは増していくだろう。
そんな世の中で生きていくために、子ども達にどんな教育を行っていくべきだろうか?幼児教育も時代と共に変化していかなければならない。
めまぐるしく変わり続ける環境についていくためには、読み書きなどの勉強や、発表会・運動会などの行事だけではなく、自ら考え行動できるチカラを養っていく必要がある。
そのチカラのことを「Agency(エージェンシー)」と呼ぶ。
エージェンシーとは、自分の人生において良い方向に影響を与える能力や意思を持つこと。主体性・動作主性・行為者性・行動する・作用する・自由に選択するなど、幅広い意味をもつ言葉なので、幼児教育ではあえて日本語に訳さずにエージェンシーと呼んでいる。
子ども達のエージェンシーを育成するには、育てる側の大人がエージェンシーを持っていなくてはならない。
佐野市では、園長先生をはじめとした先生たちが、自らのエージェンシーと、子ども達への教育方法を一生懸命学んでいる。
8月24日(火)には、東京大学 Cedep准教授の野澤祥子さんを講師に招いた基調講演やシンポジウムと合わせて「オンライン公開保育・討論 in 認定こども園あかみ幼稚園」を行う。
(東京大学 Cedepとの取り組みはこちらでご紹介しています)
今回は幼児教育関係者のみ参加可能となるが、10月には一般の方も参加可能なオンラインイベントを計画している。
プロフィール
小林 研介
(こばやし けんすけ)
- 呑竜幼稚園 理事長・園長
- 佐野市幼稚園連合会 会長
- 栃木県仏教保育協会 会長
- 佐野日本大学短期大学 教授
- 佐野市サッカー協会 副会長
- 私立幼稚園経営者懇談会 副会長