幼児教育コラム

佐野市内から日本や海外の乳幼児教育について、学び・遊び・家庭での過ごし方など、佐野市幼稚園連合会の会長でもある呑竜幼稚園 小林理事長へのインタビュー記事を連載でご紹介。

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Vol.10 子育てしやすい街、佐野市を目指して

Vol.10 子育てしやすい街、佐野市を目指して

2022年1月12日、小林理事長率いる佐野市幼稚園PTA連合会は佐野市長のもとを訪れ、保護者たちの願いを届けた。

連合会は12月に1930名の園児を対象にアンケートを行い、佐野市のもとに、子育て世代のリアルな現状と、子育て環境の拡充を望む声を伝えた。保護者による回答数は309件にものぼった。要望は以下の通り。

【公園の整備】

  1. 遊具の充実
    小山総合公園、五十部運動公園、群馬こどもの国、とちぎわんぱく公園などを例に挙げ、子どもが夢中になって遊べる遊具の拡大を求めた。
  2. 室内遊戯施設の設置
    雨が降ってしまうと屋外の公園で遊ぶことができないため、行ける場所が限られてくる。そのためには、こども広場Bのくにやキッズピアあしかがのような、室内遊具が充実した施設や天候を気にせず遊べる場所がほしいとの要望を伝えた。
  3. 水遊びができる環境整備
    夏場、プール以外の水遊びができる環境がほしいとの声があがった。
  4. 乳幼児が安心して遊べる環境整備
    1~3歳の子どもたちが遊べる遊具の拡大や乳幼児から小学生までが安心して遊べる公園の整備などを訴えた。
  5. 衛生的で安全なトイレの整備
    不審者が近づけないような工夫がされていることや、おむつ交換台・子ども用トイレの設置などを求めた。
  6. 駐車場の整備
    駐車できないから遊べないという事態の回避。
  7. 子ども自身が公園づくりに参画する機会
    公園の管理者とともに花や木を植え、自然を愛する感覚を養う機会を与えたいと訴えた。

【子育て支援の充実】

  1. 経済的支援の拡充
    出産時にベビー用品購入のためのクーポン券を配布することや第2子からの支援の拡充を求めた。
  2. 2号認定の緩和
    これから働きたいと考えている保護者も保育園を利用することができるように申請しやすいものに転換していくことや働き方の多様化による時間帯などの対応も検討してほしいとの声を届けた。
  3. 特別支援教育等の拡充
    特別支援を行える専門的な教員や保育者の設置、療育施設の拡充を求めた。
  4. 病児保育・病後児保育の拡充
    幼い頃にかかる病気を治療中の病児や、ある一定の期間の療養を求められる病後児の保育について、医療機関と連携して実現させてほしいとの要望を訴えた。

保護者の願いが詰まった要望書は佐野市長の手に託された。
佐野市もまた、保護者たちの期待に応えられるよう努力すると誓った。

佐野市が子育てしやすい街になれば、移住定住も進み、人口の増加も見込めるだろう。佐野市幼稚園PTA連合会は佐野市と連携し、協力しながら、子育て世代が暮らしやすい街づくりの実現を目指している。

『子育てしやすい街、佐野市』の実現に向け、一歩一歩着実に前に進んでいく。

プロフィール

小林 研介
(こばやし けんすけ)

  • 呑竜幼稚園 理事長・園長
  • 佐野市幼稚園連合会 会長
  • 栃木県仏教保育協会 会長
  • 佐野日本大学短期大学 教授
  • 佐野市サッカー協会 副会長
  • 私立幼稚園経営者懇談会 副会長