鮨 須藤
佐野で堪能できる本格江戸前鮨
テナントが軒を連ねるマンションの一角に、昨年の1月にオープンした『鮨 須藤』。
歴史ある江戸前鮨にこだわり、江戸時代から伝承されている『〆る・煮る・漬ける』という職人の技を受け継ぐ、佐野では珍しい店だ。
ガラス張りの外観からのぞく、白い漆喰の壁を抜けると、美しい檜のカウンターが迎えてくれる。無駄なものを省いた、シンプルでいて格調高い空間が広がる。
店主の須藤仁さんは、東京白金にある鮨店に入り、江戸前の鮨職人ならではの高い技術に感銘を受けたという。
より深く学びたいと、ミシュランガイドでも紹介された、川崎市の鮨店などでも修業を積んだ。
その後、念願だった米国居住を実現すべく、2017年にラスベガスへと赴いた。
須藤さんが鮨職人として入った店は、ハリウッドスターも通う有名店。「ラスベガスにもお寿司が食べられるお店は多くあるんですが、本格的な江戸前鮨が食べられるお店はやはり少ないんです。店のオーナーは『日本らしさ』にこだわって、建物から仕入れまですべて日本のものを使っていた方だったので、自分が料理長として任されたときにはもう一歩踏み込んで、江戸前の技術はもちろん、四季折々のおいしさを味わっていただきたいと思ってやらせていただきました」
4年間の滞在期間中、後半の2年間は料理長として、江戸前鮨の技術を通し、日本文化を発信し続けた。
自分の店を持つなら地元佐野がいいと、渡米前から決めていたという須藤さん。帰国後、都内に行かずとも、佐野で本格的な江戸前鮨が食べられる店を目指し、『鮨 須藤』をオープンさせた。
ラスベガスにいた際、魚の仕入れは日本からの空輸だったそうだが、その経験を活かし、海なし県でありながら、豊洲を中心に、日本全国からその時期の旬な魚を仕入れている。
実は須藤さんには、この道を志すきっかけとなった一貫があるという。
江戸前鮨のなかでもかなり古い技法で、その工程の複雑さから作り手が少なくなってしまったといわれる『唐子付け』。
才巻海老と芝海老、2種類の海老を使い、江戸前ならではのひと手間をたっぷりかけてつくられる。都内でも提供できる職人は数少ないといわれている。
須藤さんは白金の修業時代にこの一貫と出会い、江戸前鮨の奥深さと手技のすばらしさに感銘を受け、この世界にのめり込んでいった。
江戸前鮨職人が持つ『〆る・煮る・漬ける』という手技は、冷蔵技術が発展していなかった江戸時代に、生魚をおいしく保つために編み出された技法だという。
シャリ(米)には、赤酢を使用するのも特徴のひとつ。酒粕を醸造させてつくられる赤酢は、旨味成分を多く含んでおり、まろやかな味わいで、ネタのもつおいしさを最大限に引き出す。
「江戸前鮨を地元の方に食べていただきたいという想いが一番だったので、当店のシャリは赤酢を数種類ブレンドし、試行錯誤を重ねて完成させました。佐野の方に好んでいただけるような味わい、はじめて食べていただく方にも食べやすい味わいを目指しました」とご夫婦。
新鮮な魚を丁寧にさばき、江戸前ならではのひと手間を加えて、お客様を思いながら心を込めて握られる鮨。お客様が召し上がるペースにあわせて一貫一貫じっくりと提供される、粋な心遣いもうれしい。
提供されるメニューは、昼と夜のコースがあり、どちらも本格的な江戸前鮨が堪能できる。夜のコースには前菜が付き、佐野で採れた食材を積極的に使った四季折々の味が楽しめる。
小さなお子様連れの方やご年配の方にも寛いでいただきたいと、個室の座敷席を設けたのもこだわりのひとつ。ハレの日のお祝いやお子様を連れた会食など、さまざまな用途で利用できる。
『鮨 須藤』のコンセプトは、『大切な人と大切な時間を過ごしてもらいたい』という想い。「数あるお店の中で当店を選んでいただけたことに感謝をしながら、お客様の気持ちに寄り添える接客を心掛けています」と奥様。
誕生日や記念日などの特別な日、友人や親戚などで過ごす特別な時間を、心ゆくまで楽しむことができるよう、精一杯のおもてなしに努めている。
お客様からいただいた大切な時間を、大切な思い出として彩りを添えられるように、料理にも接客にも趣向を凝らす。
佐野にいながら本格的な江戸前鮨が楽しめる『鮨 須藤』。鮨職人がつくりあげる芸術的な美しさとおもてなしの心を堪能しながら、大切な人と大切な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。
鮨 須藤の店舗情報
- 〒327-0837 佐野市植野町1873-1泉マンション北C地図を見る
- 070-8466-6449
- ランチ:火曜、金曜、日曜:11:30~14:00(L.O.13:00)
ディナー:火曜、水曜、金曜、土曜、日曜:18:00~22:00 - 定休日:月曜、木曜
- 2台
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