SANOMEDIA×さの百景 第19回 一瓶塚稲荷神社
みなさんはじめまして。
前号からメンバーに加わりました藤間と申します。どうぞ宜しくお願い致します。
“田沼”と言ったら皆さんは何を連想しますか。今の時期だと「初午祭」や「しんこまんじゅう」などを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
初午祭やしんこまんじゅうは「一瓶塚稲荷神社」が無ければ田沼の地に生まれていなかったという事をご存知でしょうか。理由は後程お話ししますね。
今回はそんな田沼の人々と縁の深い一瓶塚稲荷神社を歩いてみました。
田沼の町を見守る様に、堂々とした出で立ちで迎え入れてくれる一の鳥居。朱の色が緑に映える一の鳥居をくぐり抜けるとそこは正に別世界。木漏れ日から降り注がれる光と、大木によって遮られた影とのコントラストが何とも神々しい雰囲気を醸し出しています。
参道を進むと、国の重要美術品である二の鳥居の青銅鳥居が。鳥居のたもとでは、狛犬たちがかわいい顔でこちらを見て微笑んでいます。
青銅鳥居をくぐり目の前に現れる十一段の石段を上ると、そこにはひと際立派な拝殿が鎮座しています。いたる所に一本の木を切り抜いて造られたと思われる、様々な素晴らしい透かし彫りの装飾が見られます。当時の職人の技術の高さに驚き、その精巧さについ時間を忘れて見入ってしまいました。
本殿をぐるっと回ってみると、拝殿にも負けず劣らずいたる所に龍と戦う騎馬武者や動物たちの透かし彫りが。塀の隙間からは、本殿の周りに所狭しとたくさんの狐様が並んでいます。
「初午祭」は商売繁盛・無病息災の願いを込めて食べ物を奉納した事から始まったと言われています。
奉納品の中にあったのが、うるち米を使用して作った新米(しんこ)でできたおまんじゅうを、信仰(しんこう)心を持って奉納したことから名付けられた「しんこまんじゅう」なのだそうです。(諸説あり)
そんな歴史や由来を知ると、もっといろいろ知りたくなりませんか。
実は一瓶塚稲荷神社には別の顔があるんです。それは、本殿側から入れる裏の入り口があるということです。道路に面した一の鳥居との真裏の位置に少し控えめな石の鳥居があり、隣接する西林寺の敷地からも入る事が出来ます。是非そちら側からの景色も味わってみて下さい。いつもとは違った趣や見え方を感じる事が出来るはずです。
きっとみなさんにとっても素晴らしい体験と新しい発見があるはずです。是非一瓶塚稲荷神社に足を運んで、田沼の良さを味わってみてはいかがでしょうか。
一瓶塚稲荷神社
- 栃木県佐野市田沼町1404
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