佐野市×日本クリケット協会

佐野市×日本クリケット協会
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想像を超えた未来を目指して

2028年におこなわれるロサンゼルスオリンピックで、正式に競技種目となったクリケット。日本ではまだまだ知られていないが、なんと競技人口はサッカーに次ぐ世界第2位のメジャースポーツで、世界100ヶ国以上で親しまれている。

佐野市には、『佐野市国際クリケット場』という、国内最大級のクリケット場がある。「なぜ佐野市にクリケット場があるのだろう?」そう思った方はいないだろうか。

今から遡ること17年前。日本クリケット協会が、土地の広さを十分に確保できる佐野市に拠点を置いたことが交流のはじまり。2007年に日本クリケット協会佐野市支部が発足され、ジュニアクラブを結成。学校訪問などによる体験会をおこない、クリケットの楽しさを伝えていった。2011年には民間の方が中心となり、「クリケットのまち佐野」サポータークラブを設立。2014年に、佐野市がクリケットを街の特徴的なスポーツとして位置づけ、「クリケットのまち佐野」を提唱した。2016年、田沼高等学校跡地に佐野市国際クリケット場を設置することが決定し、2018年に佐野市国際クリケット場が完成した。
天然芝が敷き詰められた広大なフィールドは、日本初の男子国際規格の広さを有したグラウンドとして、国内外から訪れるプレイヤーたちから愛されており、日本を代表するクリケット場となっている。

ではなぜ、佐野市とクリケットは深く結びついたのだろうか?
その疑問については、佐野市役所スポーツ推進課の萱原崇さんが説明してくれた。

「佐野市としては、人口の減少が危惧されており、解決しなければならない課題でした。このまま人口減少が続いていくと、街が過疎化していってしまうので、大規模なソーシャルチェンジを考える必要がありました。そんなとき、渡良瀬川河川敷のグラウンドに、毎週のように市外からプレイヤーが訪れ、閉校した田沼高校のグラウンドで国際試合を誘致して実施されていたクリケットに目が留まりました。佐野市もクリケットを活用したまちづくりをおこなえば、地方創生につながるのではないかと可能性を感じたのです。佐野市を訪れた方が宿泊施設や店舗などを利用してくださることで、地域に経済効果をもたらし、それが街の賑わいへとつながっていく。そうした人の流れこそが、佐野市を活性化させる鍵になると考え、クリケットをキーワードにしたまちづくりを進める方針を固めていきました。 “佐野市にクリケットがあることを呼び水に、街を元気にしていきたい” そうした願いのもと、まちづくりプロジェクトがはじまったのです」

佐野市と日本クリケット協会をつなぐ懸け橋となったのが、宮地直樹さん。彼は、クリケットの日本代表選手として活躍したのち、現在は日本クリケット協会で事務局長を務めている。栃木県出身、佐野市在住ということもあり、市内の学校などを訪問しながら体験会を開き、クリケット普及活動に取り組んでいる。

宮地さんは、「クリケットというのは、ひとつのきっかけにすぎませんが、それがあることで、国内外からプレイヤーたちがこの場所を訪れたり、佐野に来た外国人の方とふれあうことで、国際交流ができるきっかけになると思います。例えば、クリケットを英語の授業として取り入れることで、子どもたちが異文化にふれるきっかけになる。クリケットを通じて、誰かや何かとつながるようになるということは、無限の可能性を秘めていると同時に、とても価値のあることだと思っています。私ができるのは、クリケットを通じたきっかけをつくることまでですが、そのあとのつながりについては、佐野市やさまざまな人たちと協力しながら、街の活性化につながるようなイベントや体験会などをおこなって、佐野がおもしろい街になっていくよう努めていきたいと思っています」と語った。

また、佐野市は、国際規格を満たす広さを持つグラウンド、佐野市国際クリケット場があることで、国内外からも注目されており、充実した施設のある場所で練習がしたいと、佐野市に移住してくるプレイヤーもいるほど。
宮地さんの活動により、佐野市内には幼少期からクリケットに親しんでいる子どもたちも多く、中高生を中心に結成された佐野ブレーブスは、2019年度、19歳以下の全国大会で優勝を飾った。そのチームから3名が代表入りし、佐野市国際クリケット場でおこなわれた2019年ワールドカップ予選を勝ち抜き、2020年に南アフリカで開催されたワールドカップ本戦への出場を果たした。
佐野市で育った選手たちが世界の舞台で躍進を遂げている。2028年のロサンゼルスオリンピック競技認定を受け、さらなる活躍に期待が高まる。

今年の10月26日(土)、27日(日)には、佐野市国際クリケット場にて、国内でクリケットを楽しむさまざまな国の人々が一堂に介し、それぞれの国別でチーム戦を繰り広げる『エンバシーカップ』がおこなわれる予定だ。
ワールドカップ出場を果たした選手たちはもちろん、日本代表選手たちが参加する迫力ある試合を、間近で見ることができるので、興味のある方はぜひ訪れてみてほしい。

佐野市と日本クリケット協会の出会いをきっかけに、佐野市を盛り上げようと、両者が手を取り合ったことで、想像を超える未来の扉が開かれようとしている。 佐野市に住む人々が、ここにいてよかったと誇れる街づくりを目指して、両者の作戦会議はきょうも続いていく。

佐野市 産業文化スポーツ部 スポーツ推進課