GOURMET, 過去の特集

風とまごころで涼のおもてなし 築100年以上の古民家でやさしい甘味を味わう[風の庵]

 席に通されると簾戸(すど)を通り抜ける東西の風。和紙の代わりによしずを張った夏の障子・簾戸は、女将さんの「五感で涼を味わっていただきたい」と願うおもてなしの工夫から。

 会津より移築されたこの古民家、黒く燻された柱と梁が交わる広漠な空間に、季節の花や調度品など夏のしつらえが行き届く。そして広縁から戸外を望むと、陰影に富む緑とつくばいの水面。心に涼を呼び込もうとした日本人の知恵が、つとめて自然に活かされている。

 この夏のおすすめは「宇治金時」。頂からこぼれ落ちるほど贅沢に盛られた餡は、北海道十勝産の大納言と沖縄県産きび砂糖を使った女将さん手製の逸品。粒々とした小豆は主役級の大粒で、口に含めるとほろっと崩れるほどふっくらと炊かれている。そっと添えられた旬のお新香はお口直しに。

 「本物の味でおもてなしを」と材料や製法に試行錯誤だったそう。この餡目当てに遠方からも来客があるのも、うなずける。


風の庵

宇治金時は¥620(写真手前)。冷やし汁粉¥620(写真右奥)でのどごしを楽しむのもおすすめ。寒天は岩手産天草から店内で手作り。さらりとして甘さ控えめなつぶ餡にほんのり抹茶の香がまとう、夏の涼菓。
佐野市堀米町655-20
0283-24-7144
11:00~17:00
定休日 月・火・水曜日

vol30_p05_06