GOURMET, 過去の特集

歴史ある街並になじむオープンな空間、アートな時間と過ごすカフェバザール。

蔵の街栃木市に生まれた、オアシスと秘密の洞窟。
二つの看板で人々をむかえるカフェ空間。

 蔵の街、栃木市嘉右衛門町の例幣使街道沿いにある「カフェ バザール」。道路に面したこの看板から足を一歩踏み入れると、オアシスを連想させる居心地のいい空間にテーブルと椅子が並んでいる。そして奥には、好奇心をあおる秘密の洞窟が見える。細長く奥行きのあるこの空間を活かした店内。窓から射し込む自然光と照明が演出する異なる空間をもつカフェには、明るく優しい女性的な雰囲気と、古道具が並ぶ大人の雰囲気が共存し人々を迎える。

 都内でインテリア・家具の販売を経験してから、料理の世界へと歩みだしたオーナーの加藤さん。このカフェをオープンさせる前は、ヨーロッパを旅して料理や音楽、建築にふれて旅してきたと語り、その好奇心と経験はこの空間に漂うリズムに反映されているように感じる。もともと都内ではなく地元である栃木にオープンを考えていたという彼だが、都内で料理に関わり携わっていく中で、自分の提供する料理に対して矛盾を感じ、地産地消や生産者との距離を考えるようになったとも語る。

 さまざまな国の郷土料理を見つめ直し再構築する。ここカフェバザールが提供する料理について加藤さんはそう語る。美味しいからこそ今も受け継がれ人々に親しまれている郷土料理には、その地域に生きる文化が背景にある。そしてその料理名にもそれぞれに意味があり、使われている食材の地域性もそのひとつ。内観に外観そしてインテリア、アートなこだわりが広がるこのカフェで提供される料理には、口の中で広がる美味しさに加えて、彼の経験と探求を組み合わせたような深みがある。

 歴史ある街並の中に生まれた隠れ家は、今年の11月11日で開店から1年を迎えるという。ここは生活の一部として過ごせる居心地のいいアートな空間。非日常的な時間からいつのまにか、ここで過ごす時間は日常となっていくに違いない。この街で自分のスタイルを持ち、作り上げていくカフェバザールの空気感は、訪れる人にいつも新しいリズムを与えてくれる。


カフェ バザール

栃木県栃木市嘉右衛門町4-6
0282-51-2810
12:00~22:00(L.O21:00) 火・水曜定休



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