GOURMET, SANOMEDIA ラーメンファイル, 過去の特集

創業当時から変わらない素朴な味が、日光軒の味。

 ラーメン屋と呼ぶにはお洒落すぎるような外観で迎えてくれる佐野市若松町の「日光軒」。足を踏み入れるとカフェレストランだった白壁の空間がほぼそのままに残る。居心地の良いこの場所で先代が作り上げたその味を再現し、訪れた人に素朴な味を提供するのが現店主であり、今の日光軒。そして再び屋号を掲げ創業当時の味と共にラーメンというこの街の食文化を伝えるのが、世代を超えて今に受け継がれた「日光軒の味」。


 人々の集まるカフェレストランからラーメン店へと変わり、提供する料理が変わったことは巡りめぐった結果であり、当然の流れなのかもしれないと語る店主。日光軒の再開には当時の味が不可欠であり、再現するために改めて多くを調べ学んだ。だから再開後は「当時の味」がプレシャーとなっていた。けれども今は、その日の気温や天候、仕入れた食材によって表面化する味の変化を楽しめるし、受け継いだ味を作り上げることに飾らない自分を見いだすことができた。毎日の仕込みとその手で再現した懐かしい味を提供することに喜び、この街で「ラーメン」という食文化を提供する事に、大きな醍醐味を感じている、店主の目は明るく澄んでいる。

 素朴な美味しさが程よく香り立つ「日光軒の一杯」には、新しいラーメンの味を提供することよりも、この街で古くから人々に愛されてきた味を再現・継続するという、「原点の味」を伝えるというこだわりが潜んでいる。この街でラーメンを提供してきた老舗の歴史と味に触れることのできる一杯は、これからも新しい世代へと受け継がれ、過去から現在へと素朴な味を伝え続けていくのだろう。


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手打ち佐野ラーメン/580円

【 麺 】
つるつると喉を通る食感が心地良い幅の広い手打ち麺。
【 スープ 】
ほんのりと油が浮ぶ、さっぱりと味わいの深い懐かしいスープ。
【 チャーシュー 】
小ぶりでも厚みが嬉しい豚バラチャーシュー。
【 ネギ 】
多めの刻みネギが老舗の味にアクセントを加える。


日光軒

佐野市若松町138
0283-22-7832
11:30~15:00(L.o.14:30)、17:30~22:00(L.o.21:00)
定休日:木曜日、第3日曜日
店主がこれまでに作り上げてきた、人々の集まる空間がそのまま残る場所。受け継がれた素朴な味を味わえる場所へと変わった今も、多くの人が変わらず集まり続ける。

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